子どもたちのいのちを守るために、園で行われている防災訓練の取り組み

この記事は、2022.8.29公開の内容を最新化しております。

保育園で行われている防災訓練のようす

毎年9月1日は防災の日、また8月30日~9月5日は防災の意識を高めてもらうための防災週間とされています。保育園では法令に基づき、少なくとも毎月1回、避難訓練および消火訓練を行うことが義務付けられています。筆者が小さい頃は、椅子にクッション代わりに引いていた防災頭巾を被り、おかし(現在は、おかしもちが一般的?)に倣い、庭に退避する避難訓練でしたが、現在はどのような訓練をしているのか。今回は、さくらさくみらいで行われている防災訓練の様子をご紹介します!

目次
・体験したことのない水害を想定して
・見知らぬ者から守るために、先生たちも訓練
・子どもたちのいのちを守るために

体験したことのない水害を想定して

災害…というと大規模な地震や津波をぱっと思い浮かべますが、それ以外にもゲリラ豪雨による水浸し、などいつ起きても不思議ではない身近な自然災害も多くあります。
都内を中心に展開しているさくらさくみらいでは、東京湾や大きな川の近くにある園も少なくはありません。そこで心配なのが、津波や川の氾濫、洪水などの水災害。
運河がほど近いさくらさくみらい東品川では、万が一に備え初の水害訓練を行いました。

経験したことも見たこともない水害。子どもたちにとっては、未知の世界です。
津波がどのようなものか、実際に遭遇した場合はどのように行動すれば良いのか、「にげてにげてつなみがくるよ!」(出版:童心社)という防災紙芝居を使い子どもたちに伝えます。

紙芝居を終えた後、先生が「津波が来たらみんなはどうすれば良いのかな?」と質問すると、子どもたちは「逃げる!」「高い所に行く!」「大きな声で周りの人に教えてあげる!」と、紙芝居から学んだことを一人一人吸収し、答えてくれました。

水災害の怖さを十分に理解したところで、園に常備しているライフジャケットを実際に試着!ライフジャケットは個々に合わせてベルトを調整する必要があるため、訓練の前に事前対応準備としてライフジャケットを着た際に、「いやだ!」「きつい」「なんか怖い…」と苦手意識のあった子も、紙芝居で「水害訓練はなぜ行うのか」ということを学び、ライフジャケットを身に着けることの大切さや、自分で身に付けないと危ないということが認識でき、訓練中は自分自身で積極的に着用する姿も見られたそうです。

水災害訓練の様子
いつになく神妙な顔の子どもたち…先生たちの緊張感が伝わっているようです。

【関連ブログ】
さくらさくみらい東品川「ぱんだ組です🐼🐼」
https://www.sakura-39.jp/hoiku/higashishinagawa/blog/?ID=41758

見知らぬ者から守るために、先生たちも訓練

自然による災害の他にも園で備えなければいけない事態が、不審者の侵入。不審者が男性だった場合、女性の力では到底太刀打ちできないことも。それでも、負けてられない!大切な子どもたちを守るため!と、さくらさくみらい武蔵小山では、近隣の警察署の協力のもと、不審者が入ってきた際の訓練を行いました。

宅配業者を装って園へ入ってきた不審者(警察の方が扮してくれています)。
まずは不審に思った先生が、玄関先で侵入を防ぎます。

不審者訓練のようす

続いて、異変に気が付いた他の先生が刺股(さすまた)をもって犯人が入ってこないよう必死に押さえつけます。※刺股は相手に打撃を与えるものでは無く、実際には相手の動きを抑え込み、警察が到着するまで時間稼ぎのための防衛用具として使用します。
犯人と距離を保つため長い棒状になっており、狭い場所での使用は普段から練習しておかないと操るのが中々難しいんだとか。

さすまたの練習
お腹よりも足や脛を狙うと相手が倒れると警察の方からアドバイスをいただきました

その刺股を潜り抜け園内へ入ってきて保育室の子どものそばまで来ました。
中に侵入されないように、一生懸命ドアを抑える先生たち。
何度も扉が空きそうになりましたが、三人がかりで無事侵入を防げることができました。

警察の方からも「こんなに熱心な保育士さんは初めて。内容もとても良く、警察でも対策の一つとして採用させていただきたい」とお褒めのお言葉までいただけました。

今年も警察の方にご協力いただき不審者訓練を11月に開催予定。
先生たちも昨年の練習で感じた改善点を事前に練習し、さらにパワーアップして臨みます。
↓8月某日に行われた「侵入されないための扉強化対策」訓練の様子をちょっとお届け。

不審者訓練のようす

より頑丈な扉にするために、今回はカラビナ等の道具も活用し強度を高めます

保育室のドアを抑える保育士
保育室のドアを抑える保育士

一瞬力が弱まった瞬間に開けられそうになりますが、三人がかりで扉を閉めます。
カラビナとチェーンを使って閉められた扉は外からは中々開きません。
その間に保育士たちは子どもたちと一緒に避難することができました。

【関連ブログ】
さくらさくみらい武蔵小山「👹不審者・火災訓練🔥」
https://www.sakura-39.jp/hoiku/musashikoyama/blog/?ID=38719

子どもたちのいのちを守るために

IP無線機
保育士が首から下げているIP無線機。日頃のお散歩から携帯しています

さくらさくみらいでは、2019年より全園にIP無線機を導入。このIP無線機は、震度4以上の揺れを感知した際に、携帯電話より早く緊急災害情報を受け取ることができる優れもの。園長が使用しているIP無線機には外線発信機能も備えているので、災害時に携帯電話がつながりにくいときには、このIP無線機を使用して外部と交信ができるんです。
さくらさくみらいでは、いざというときに使い方が分からない…という事態を防ぐため、普段のお散歩や保育室でもこのIP無線機を使用しているんですよ。


朝「いってらっしゃい(いってきます)」と別れた大切な人と、夕方に「ただいま」「おかえり」と笑いあえること。それが、かけがえのないお子さまをお預かりする保育園の基本中の基本、決して覆ってはいけない部分です。

それでも災害はいつどこで起こるか分からない。頭ではわかっていても、日常とは違う場面では咄嗟に体が動かないもの。さくらさくみらいでは何よりも子どもたちの命を守ることが大前提。「いざ」というときに冷静な判断をし、適切に素早く子どもたちを安全に守れるよう今日も訓練を行っています。

さくらさくみらいの保育に興味を持たれた方は…

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