机の上から飛び出して!?コマになって遊んでみよう!人間すごろく

二回目の人間すごろくは数字を増やして

子どもたちに大好評だった「人間すごろく」。先日、早くも二回目が開催されました。
今回は、CLiP<Children Learn in Play>の「ことば・もじ」の分野でご協力いただいている東北大学の松崎先生・榊先生をお招きして、実際に子どもたちが「人間すごろく」で遊んでいる様子を見学いただきました。

※CLiPの取り組みはこちらの記事でもご紹介しています

東北大学の榊先生、松崎先生
東北大学松崎先生(右)のノートに興味をもつ子どもたち

保育園では見慣れぬダークな色のスーツを着た大人と距離を置く子どもたち…かと思いきや、早速お二人のもとへ集まり松崎先生が持っていたスケジュール帳に興味津々。とても人懐っこく話しかけていました。
そんな和やかな雰囲気の中、第2回「人間すごろく」に向け準備をします。

「前回(のすごろくは)、数字はいくつまでだったっけー?」保育士さんの問いかけに、『にじゅうーーー!』と保育室に響き渡る子どもたちの元気な声。
その答えを聞いて保育士さん、床に貼られた数字の最後まで行き、「今日はここ!ごじゅうまで!」と、前回よりも30多いマスへ使うお題も子どもたちに追加で考えてもらいます。

【5秒目を閉じてフラミンゴのポーズ】【スタートまで戻ってこちょこちょ】【ねこのものまねをする】など次々と新たなお題があがり、誰かが『10秒間ソーラン節踊るー!』と言うと、『どっこいしょどっこいしょ』とどこからともなくソーラン節の歌が始まったり、みんな人間すごろくが待ち遠しくて仕方がない様子。
『これが一番良いよね♡』と女の子が言ったお題は…【K先生とぎゅーっとする】でした。こんな嬉しいこと言われたら、日頃の疲れも一気に吹き飛びますね!

第一回目より数字もお題も、子どもたちの期待感も増す中、先生とのじゃんけんで前半組、後半組の2グループに分かれて、いよいよ人間すごろくが始まります!

すごろくのお題を考える子ども
今回も子どもたちにお題を考えてもらいます
すごろくのマス
保育室の床に貼られた50までの数字。圧巻です

無限のループを乗り越えて

さいころを振る女の子
「せーの」でさいころを振ります

トップバッターの子が一投目から5を出し、ぴょんぴょんと小さな体でめいっぱい嬉しそうに飛び跳ねながら該当のマスまで進み、このまま順調なスタートかと思ったところ…6マス目に着いては振り出しに戻る子多数!!
え、なんででしょう…??そこには【スタートまで戻ってこちょこちょ】のお題が。
この関門がなかなか手ごわく突破できない!中には、こちょこちょループの子も…。
これはゴールまで非常に長い道のりでは…と最初から雲行きが怪しい雰囲気に、大人たちはハラハラ・ドキドキ。加えて、無限ループに陥ってお友達との差が開いてしまうと、お友達と自分を比べて癇癪を起すのではと思いましたが、お友達が励ましてくれたり、一緒にこちょこちょを手伝ったり、回数を重ねて行っても楽しくゲームする姿があり、誰一人としてイライラした様子はなく笑顔で進んでいきました。

こちょこちょされる女の子
10秒間こちょこちょされています。はたして耐えられるか…!?

みんなでフォローしあいながら

さて、この無限ループも無事脱出し、第一回目の人間すごろくのゴールだった20も過ぎ、後半戦に突入!
このあたりまでくると、誰に何を言われたわけでもなく子どもたちが自然とお友達をフォローする姿が見られました。

「歌をうたう」というマスのお題にためらいの様子を見せている子に「この歌はどうかな?」とアドバイスしたり、待っていた後半組の子が転がったさいころを回収して次の子に渡したり、さいころで出た数字を見てどのマスまで進むかを瞬時に判断し該当のマスまで誘導したり、ちょっと出遅れて落ち込んでいる子に「私よりは進んでるよー」と声を掛け合ったり、みんなで助け合いながら賑やかに進んでいきました。

お友達を助ける男の子
「この歌はどうかな?」とこっそり耳元でアドバイス

白熱した人間すごろくも開始からそろそろ一時間。10時半ごろスタートし、時計はいつしか12時手前。
ようやくゴールが見えてきた前半グループの子どもたちは、残りのマスを数えながら『2出て―』『私は3出て―』と願ったり、数を把握している会話も見られました。

終了後、子どもたちは、「前より数字が多くなって覚えられないけど、楽しかったー」と今回も人間すごろくを存分に楽しんだ様子。

人間すごろくのお題
これやったよー!と教えてくれました

そして、最初から最後まで優しい表情で、「いち・に・さん~」と数えながら着実に進んで行く姿に子どもたちと一緒に「いち・に・さん~」と頭を縦に振りながら数えたり、さいころの6が出ると「おぉ~!!」と驚きの声をあげたり、見守ってくださっていた東北大学の松崎先生は、

「(20から50と)数が多くなり、時間も長くなりましたが、みんな集中力を切らさず楽しんでいてすごいなと思いました。 “数える・読む・声に出す”ことを子どもたちが自然とできるようにと先生方が声掛けをしている姿も印象的でした。子どもたちもみんなで助け合いながら、進みすぎたり、足りなかったりを声掛けでフォローしながらやっているなと思いました」

と、みんなで作り上げた人間すごろくに感心していました。

人間すごろくで遊ぶ子どもたちと見守る東北大学の先生方
すごろくを行う子どもたちと後ろで見学する東北大学の松崎先生・榊先生
東北大学の榊先生
優しい表情で人間すごろくを見守っている東北大学の榊先生

目に見えない力も育まれる

実は、予想外に接戦となり、後半グループは、別日に持ち越しとなりましたが、その後日談も少しお届けします。

後半グループでは、無限ループとなっていた【スタートに戻る】の位置を変えて実施!
また、お題を声に出してからチャレンジすることで文字の認識がスムーズにできるようになりました。
前半戦より多くの子どもたちが主体的にゲームをサポートしてくれたことで、前回よりもスムーズに終わり、さらにもう一回戦が開催さるなど、子どもたちの大人気の遊びのプログラムになったそう。

今回のすごろくを通して、ただ数や文字を覚えるだけではなくお友達に対する思いやりや心遣いなどいわゆる非認知能力の学びにもなる活動だったようです。

次のページでは、子どもたちが人間すごろくが楽しんでいる様子をご紹介しています!

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