さくらさくみらいの想いが詰まった2つの「保育BOOK」誕生秘話

さくらさくみらいの保育BOOKについて

さくらさくみらいの保育で一番重要なワード「おうちのような」。先生たちのアンケートでもこのワードに惹かれて入社を決めました。という声が多い、まさにさくらさくみらいを象徴する言葉です。(関連記事:『さくらさくみらい』ってぶっちゃけどう?先輩のリアルな口コミ
でも、一言に「おうち」と言っても、育った家庭も色々なら、みんなの「おうち」のイメージも千差万別。「おうちのような保育」って具体的にはどういうこと?
そんな戸惑いを解消する、さくらさくみらいのオリジナル保育BOOK「たいせつなこと」と「みんなの保育指針」。
今回のさくスマは、この保育BOOKプロジェクトのキーパーソンに話を聞いてきました。

目次
・現場の先生の悩みから生まれた 保育BOOK
・総時間約200時間!「さくらさくみらいの保育」を探す長い旅
・より具体的な内容を落とし込むために
・迷ったときの道しるべ的な存在に

現場の先生の悩みから生まれた保育BOOK

保育BOOKのプロジェクトが立ち上がったのは2017年。当時、さくらさくみらいの園数は30園ほどで、これからさらに園数も増える…というタイミングでした。たくさんの新しい仲間が加わるにつれ、「おうちのようなほいくえん」という抽象的な言葉に、先生たちから「“おうちのようなほいくえん”ってどういうこと?」「具体的にどんな保育を?」と悩む声が、次第に多く聞かれるようになりました。それもそのはず、先生たち一人ひとりが違うように、その先生たちが育った“おうち”もそれぞれ。同じことを言っているようで、ちょっとしたズレが生じていました。
先生たちが持っている「おうちのようなほいくえん」に対するこのちょっとしたズレを整え、そこからくる「本当にこの保育でいいのかな?」の迷いを少しでも軽くしたい…。何かわかりやすい方法はないか、さくらさくみらいの想いや理念をどう広めたらいいか、と考えたSさん。
自身も現場で保育士をしていた経験から、保育中でもいつでも見返せるような持ち歩けるものとして、冊子にすることを思いついたとのこと。
本部からの一方的な想いの共有ではなく、実際に現場から上がっている悩みや声をもとにした内容にしたいと思い、園長先生に共同作成を相談したところ「良いですよ!」と快諾。保育BOOKのプロジェクトがスタートしました。

総時間約200時間!「さくらさくみらいの保育」を探す長い旅

編集メンバーは、最前線で向き合ってくれている現場の声をできるだけ取り入れるため園長先生(今でもまだ現役です!)と園を運営している本部の保育士資格を持つ運営メンバー、これから入ってくる人にも採用活動の段階でさくらさくみらいの想いを伝えられるようにと採用担当者の計8人。そこにアドバイザー役として株式会社保育のデザイン研究所様にも加わっていただき、合計10名のメンバーでプロジェクトは進んでいきました。

さくらさくみらいオリジナルみんなの保育指針表紙

現在二冊ある保育BOOK。話し合いの初期の段階から、色々なバックグラウンドを持ち、経験も様々な先生たちが迷わずさくらさくみらいの保育を知ってもらいたい、そのためには「想い」と「実践」両方とも必要と考え、構成を作っていたそうです。

まず、メンバーで、「想い」や「大切にしていること」について話し合いを重ね、「さくらさくみらい」の4つの保育目標を元に、その目標を達成するために周りの大人たちに求められるものは何かを紐解き、8つのポイントに落とし込んでいきました。

■さくらさくみらいの保育目標
1.心身ともに強い子ども
2.明るく元気な子ども
3.考える力をもつ子ども
4.思いやりのある子ども

さくらさくみらいが大切にしている保育の8つのポイント
大切にしている8つのポイント

話し合いを重ねてできたさくらさくみらいの「想い」の部分がつまったテキスト。
8つのポイントでは、さくらさくみらい“らしさ”のある保育の大切な「想い」を分かりやすくまとめ、さらに、どの園でもさくらさくみらい“らしさ”のある保育を標準化できるように具体的な場面ごとの保育を含んだ保育Bookを作成しました。
保育Bookを活用することで、さくらさくみらいの保育について、職員同士が話し合い、照らし合わせができるように「みんなの保育指針」の内容を揉んでいきました。

言葉にするって難しい!

実践の内容は、保育Bookのテーマに沿って日々保育を行っている現場の先生たちが普段どんなことに気を付けているか、より具体的な声を聞くため、管理職研修の中で先生たちの実体験を元にディスカッション。その中で上がってきた、ワードを拾い、プロジェクトメンバーで「このワードはさくらさくみらいの保育にとって大切だよね」と内容にも入れ込みました。さらにはみんなのイメージを統一するため、漢字の捉え方などの細部にまでこだわりました。

例えば「せいさく」は「制作」と「製作」と二つの漢字がありますが、『みんなの保育指針」では「製作」を使っています。
辞書(広辞苑)で二つの意味を調べると、

制作…芸術作品などを作ること

製作…道具や機械などを使って品物を作ること

一見すると「制作」ではないの?と思いますが、さくらさくみらいでは、どうやってものを作っていくか?作り上げたものをどのように使っていくか?お友達と一緒に作り上げていく、こっちのほうが良いよねと試行錯誤しながら作り上げていく、という「作る」過程も大事にしたいと、「製作」という言葉を採用しました。

ちなみに、今ではすっかりお馴染みのさくらさくみらい公式(?)キャラクターのさくら先生、みらい先生もこの時に誕生しました。

文字離れが進んでいる昨今、みんなにとって読みやすくするには漫画も交えたほうが良いのでは?という意見から、Sさんが手書きで、現在のさくら先生とみらい先生を描いたのが始まりだったとか。

さくら先生、みらい先生の原形
右:さくら先生 左:みらい先生

先輩(みらい先生)と後輩(さくら先生)という、キャラクター性を持たせたことにより、新卒でも経験者でもすべての人に親近感を持って読んでもらえるような、そんな内容になっています。

迷ったときの道しるべ的な存在に

こうして出来上がった「想い」の部分である『たいせつなこと』と「実践」の部分である『みんなの保育指針』の二冊の保育BOOK。
新しく入った先生方へは、研修内(新卒入社研修、中途入社研修)でその内容だけでなく、出来たきっかけや想いを伝える時間をもっています。園内研修の際にはみんなの共通認識として題材に使われているとのことです。
保育に迷ったときに、「〇〇先生の経験で…」「〇〇先生が言っているから…」ではなく、さくらさくみらいの想いってどんなだっけ?と立ち返る場所として、『たいせつなこと」や『みんなの保育指針」を使ってもらえるようになると良い、と語るSさん。以前さくスマでもご紹介した「さくらさくみらい独自の勉強会、そのヒミツをレポート」の、拠点勉強会の中でも、先生たちが「それって『たいせつなこと』にはどう書いてある?」とい話し合う一幕もあり、着実にその想いは浸透してきていました。


いかがでしたか。
保育BOOKは、子どもたちや保護者、同僚に対して、どういう想いで伝えていくか、接していくか、芯の部分はぶれずにさくらさくみらいで働く人がみんな一緒の想いでいて欲しいという想いから出来上がりました。

興味のある方は、ぜひ見学会や面接に来て、実際に二つの保育BOOK「たいせつなこと」「みんなの保育指針」を手に取ってみてくださいね。

さくらさくみらいにご興味を持った方は…

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