さくらさくStory #1 子どもの自然なやさしさを引き出した「がおがお」さん

さくらさくみらいの保育のモットーは「子ども主体の保育」。この「子ども主体」、言葉では分かるけれど、実際にはどんな声がけや工夫をしたらいいんだろう?と悩むこともありますよね。
さくらさくStoryシリーズでは、さくらさくみらいの保育の現場で見つけた、子ども主体の関わりのヒントになるエピソードをお伝えします。エイイチさんのほっこりイラストとともにお楽しみください!
室内遊びの救世主「がおがお」さん
雨の日が続くと、お散歩に行くことができず、どうしてもエネルギーを発散できない子どもたち。室内遊びで元気いっぱい!時にはヒーローごっこがエキサイトしてトラブルになってしまうことも…
エネルギーを発散させてあげたい…でも、お友だち同士でぶつかってケガをしてしまうのも問題…。
だからと言って、何かあるたびに「やめなさーい!」と大声を出すのも違う気がする…
と悩んだ末に先生が考えたのが、「がおがお」でした。

「がおがお」は架空の怪獣。クラスの部屋の一番頑丈な柱壁で炎を吹いています。
いかにも強そうに、子どもたちが新聞紙で作った剣が受けやすそうな位置で、いつでも子どもたちの挑戦を待っています。
「ごっこで敵の役がいるときは、お友達じゃなくてがおがおを使ってね」と先生。
これが奏功して、子どもたちはヒーローごっこの悪役に「がおがお」を使うようになり、子どもたち同士での衝突はぐっと減りました。
さらにそれだけではなく…
子どもの自然なやさしさを引き出す
「ねえ、がおがおにも、なかまがいるんじゃないかな?」
いつも自分たちのクラスでみんなのエネルギーを一身に受けている「がおがお」を見て、ある子がこんな発言をしました。
「ぼく、がおがおのともだちをかく!」
そこから、子どもたちがみんな、自分なりのがおがおを描き始めたんです。
先生はそれを「がおがお」の近くに貼っていきました。
すると、そのころから少しずつ「がおがお」を攻撃する遊びの頻度も減ってきたそうです。
はじめはエネルギーの発散先として生まれた「がおがお」ですが、今では「がおがお」ファミリーとして、愛すべきクラスの仲間になっています。

いかがでしたか?
やさしい子になってほしい…そう誰もが願うもの。ですが、「やさしくしなさい」と漠然とした言葉を使っても、子どもはどうしたらいいか分からないかもしれません。
そんな時、「〇〇しなさい」「〇〇しちゃダメ」と子どもの行動を指示するのではなく、ちょっとした工夫をするだけで、子どもたちは自分で考え、答えを探していくんですね。
さくらさくStoryでは今後もそんな「ちょっとした工夫」のヒントをお届けできればと思います。
さくらさくみらいの保育で大切にしていることはこちら(中途採用サイトに遷移します。)でもご紹介しています。